日経新聞3月10日付のマンスリー商品市況欄で、段ボール原紙の価格が変わらなかった。製紙メーカーは2月初めか同月21日から、キロ10円か15%以上の値上げを打ち出していた。考えられるのが、①実際に変動してない、②何らかの意図で変わっていない、③調査を忘れていた?のいずれかか。今回、仮にKライナーが10円上昇したとすると、日経市況は105~107円にも達することになる。
他紙の編集方針をとやかく言うつもりはないが、同じ市況欄を書く立場からすると、上げ相場は書きやすいが下げ相場は書きづらい。読者からの反発が大きく、覚悟も必要だからだ。海外専門紙RISIでは株価が下がったと記者が訴訟を受けたこともあると聞いた。
とにかく実際には段原紙は18年にキロ8円上がった後、ずるずる4~5円ほど下がっていた。このあたりが反映されず、上げ相場だけを追っていくといつの間にか実勢と乖離してくる。今回、段原紙メーカー間のバーター取引価格は既に値上がりしたという。値札が付かない故に原紙市況の見極めは難しいが、日経市況だけが全てではない。現実を映した市況欄こそ必要だ。
2025年03月17日
コラム「虎視」
シリコンバレー発のGAFAなどの新興企業がもてはやされる陰で、米国の製造業は着実に衰退してきた。製造業付加価値[...]
2025年03月10日
コラム「虎視」
愛媛県四国中央市で紙づくりが始まったのは江戸時代半ばの1750年頃と言われている。豊富な水と原料に恵まれたこと[...]
2025年03月03日
コラム「虎視」
丸住製紙が今年3月末で新聞用紙の生産を終了する。花形だった新聞用紙事業は今は昔である。新聞の普及に大きな役割を[...]
2025年02月24日
コラム「虎視」
トランプ大統領の顧問を務めるイーロン・マスクは、南アフリカからカナダを経由して米国に移り住んだ移民の一人である[...]