▼新年度に入り、段原紙市況の仕切り直しが注目されていた。王子とレンゴーの膠着状態が続く中、口火を切ったのがNTI(日本東海インダストリアルペーパーサプライ)だった。値上げ幅は二〇%以上で、時期は五月末から。値上げ要因の一つである古紙の輸出市況は既に軟化しているが、タイムラグの発生は致し方ない。これまでの上昇分の転嫁が主眼になるだろう。
▼NTIは、日本製紙と特種東海製紙が段原紙共販のために昨夏設立した合弁会社。段原紙シェアは二〇%を占める。製品まで手掛ける一貫メーカーの王子Gは二五%、続くレンゴーGは二三%。三番手による値上げ表明は異例だが、専業メーカーだから踏み切れたという事情もある。段ボールは最終製品のシート・ボックス価格までの値上げが最大の課題だからだ。二〇一二年に発覚した製品カルテルも呪縛になっていた。
▼古紙の建値を据え置いたまま、段原紙価格の値上げに踏み切ったこともこれまでの慣例を破った。もはや建値は有名無実化し、最低価格との認識が強い。需給を価格に反映させる方式が定着している。四月の実勢の段ボール古紙の購入価格は前月から横ばい、平均的には二十円前半のようだ。製品安原料高が進んだ市況を立て直す好機となるか。
2022年06月27日 コラム「虎視」 共和紙料の中村市太郎会長が今年4月18日に急逝した。本紙の創業者と同じ昭和21年生まれで、昨秋お会いした時はと[...]
2022年06月20日 コラム「虎視」 大和紙料・矢倉義弘顧問は、昨年11月に旭日双光章を受賞。今年5月の全原連・総会が大阪で開催されたが、その出席者[...]
2022年06月13日 コラム「虎視」 ロシアという大国は、世界史に出てくるまでに時間がかかった。その理由は、ロシア平原を通過する遊牧民の存在だった。[...]
2022年06月13日 ちょっとブレイク 韓国で最も好きなスポーツ選手の第1位に5年連続で選ばれているのが、イングランド・プレミアリーグのトッテナムで活[...]