2004年9月20日 オピニオン » 607号

コラム「虎視」 607号

コラム「虎視」

▼関東製紙原料直納商工組合は抜き取り防止のキャンペーンに乗り出した。先進国でも古紙の抜き取りが常態化しているのは、日本だけだろう。分別収集でステーションに出された古紙は所有権がはっきりしないこともあって、抜き取りの格好の対象になっている。では所有権が明確な集団回収には抜き取りがないかというと、近年はそうでもない。近畿地区では集団回収の抜き取りが多発している。

▼本紙は昨秋、全国の47主要都市の古紙回収量(集団回収と分別収集の合計)を調査したが、1世帯当たりの回収量は86キロだった。中小都市に比べて主要都市の古紙回収が遅れている。地区別では中部が128キロでトップ、下位は近畿の28キロだった。ちなみに関東は102キロである。中部と近畿に100キロもの差があるのは、①中部では10市のうち6市で分別収集が行われている②近畿の京都、奈良、大阪市は集団回収に助成がないかあっても少なく、同時に分別収集が行われていない③集団回収の抜き取りが中部では少ない-などが原因。

▼名古屋市では集団回収と学区回収と分別収集(紙製容器のみ)の三本立て回収が行われている。いずれの回収にも抜き取りが少ない。名古屋が全国の良いモデルにならないか。

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