中国の古紙輸入解禁の噂は、これまで話題に上ることが多かったが、その都度、希望的観測として否定されてきた。以前までは噂レベルだったが、現在は商社筋によると50%にまで確率が高まってきているという。
▼思い起こせば2010年3月、本紙は「将来的に中国の古紙輸入量はゼロに近くなっていく」という記事を書いた。当時これを「中国の2015年問題」と呼び、中国の原料供給の変化を危惧した。2000年代から中国の製紙産業は驚異的な成長を見せ、将来期に古紙輸入がなくなるという事は当時は全く信じられなかった事だ。しかし結果的に中国は環境対策を優先して、古紙だけでなく全ての廃棄物(再生資源物を含む)の輸入を禁止した。
▼中国は、古紙輸入禁止で原料供給に大きな歪を生んだ。古紙不足を補うために、①古紙パルプ輸入増、②段原紙輸入増、③木材パルプ生産・輸入増で賄ってきた。当然のことだが、①~③を自社で行うには莫大な投資とランニングコストが掛かる。古紙が主原料のTライナーから木材パルプが主原料のKライナーに変更するだけでもかなりのコストアップであり、その設備を一から作るとなると尚更である。次号では、中国製紙全体の原料供給とコストアップについて分析したい。
2025年07月14日
コラム「虎視」
今号で紹介した熊谷紙業は、90年代から古紙パルプ生産を試行錯誤してきた。本紙268号(97年10月)を改めて読[...]
2025年07月07日
コラム「虎視」
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2025年06月30日
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2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
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2025年06月23日
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