2025年2月10日 オピニオン » 1610号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 奈良市の人口は約35万人。47都道府県の県庁所在地の中で人口数は28番目の中核市である。その奈良市では古紙回収量はゼロカウントだ。これは奈良市では古紙の行政回収が行われておらず、集団回収にも助成金がないためである。このような市町村は、全国的にはそれほど珍しくはない。

▼奈良市内の住宅地を歩くと分かるが、実際にはあちこちで集団回収が行われている。単に自治会や町内会への助成金がないだけである。行政が古紙回収にノータッチである理由は、①予算がない、②民間企業の回収が盛ん、③他の回収方法が確立、④組合等の力が強い等が挙げられる。以前は市内にちり紙交換業者が多く、彼らの仕事を奪わないという配慮もあったという。また古紙の無人回収所が盛んで、様々な業者が市内各地に展開している。

▼奈良市が運営するごみ焼却場でも、ごみや資源物と共に古紙を回収している。古紙置き場は民間業者に業務委託をしており、市は古紙回収にはあくまでもノータッチとなっている。大型ごみを持っていくついでに焼却場の古紙置き場に行くと、障がい者が品種ごとに分別作業や異物除去を行い、熱心に働いている。市の古紙回収量はゼロだが、彼らの働きが紙リサイクルを支えている。

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