斎藤一人という実業家がいる。97年と03年に日本の長者番付でトップに立った。化粧品・健康食品会社を立ち上げて成功し、多くのベストセラー著書を出版する他、全国で講演も行う。06年以降、個人情報保護法によって長者番付が発表されなくなったが、現在でも年収は数10億円と言われている。経営者や芸能人にもファンが多く、氏の様々な格言は天国言葉と言われて重宝されているという。
その斎藤氏が講演の度に言っていることがある。「みなさんには、私の著書を読むより先に太閤記を読んで欲しい」。太閤記(正確には新史太閤記)は歴史小説家の大御所である司馬遼太郎の著書で、豊臣秀吉の生涯を綴った小説である。
貧農の子であった秀吉は、智恵と機転に類い稀な才覚を持ち、当初はそれを発揮できそうな商人に憧れるが、戦国の世で成果を出せる武士を志す。中村国(現在の名古屋市中村区)から家出をして、旅で知り合った業者を頼りに駿河国の今川家で手伝いを始めるが、ここでは醜男だと罵られ、信頼を得られなかった。やがて尾張国の新進気鋭の織田家に雑用で雇われる。身分に関係なく士分に取り立てる実力重視の家風で、秀吉は身を粉にして働く。
日本の歴史上、最も大きな「成り上がり」を体現した秀吉の生涯を通じて、情報収集能力と分析力、それを体現できる勇気と行動力の重要さを綴っている。
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