2019年3月18日 オピニオン » 1320号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 中国の輸入規制により、古紙の代替え品としてブームとなりそうなのが再生パルプだ。18年の中国の輸入量は30万トンまで急増。輸入先は台湾が11万トン、ベトナムが9万トン、日本からは2,000トンだった。廃プラは輸入禁止となって以来、ペレットの加工施設が増えた。古紙も20年末で全面禁止となれば、再生パルプという加工手段が広まるのだろうか。

 ▼中国系資本は、他国で古紙を一旦加工して輸入するべく、各地で設備計画を矢継ぎ早に発表。その中には、再生パルプ工場もあり、例えば、マレーシアで理文造紙が55万トン、景興紙業が80万トンの工場を新設し、ラオスでは太陽紙業が段原紙を含めた120万トンの計画を練る。また欧米では、買収により再生パルプ工場を傘下に収めるケースが目立つ。

 ▼だが、日本の関係者に再生パルプ増産の可能性を尋ねると、懐疑的な声のほうが強い。①中国の規制ありきの投資はリスクが大き過ぎる、②再生パルプとして出荷し、原料利用するには加工・運賃コストが高過ぎる、③古紙に対する0.5%規制が将来的に再生パルプにもかかりうる、といった理由からだ。日本の古紙の仕入れ価格も決して格安という水準ではない。当面、様子見が続きそうだ。

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