2013年10月21日 オピニオン » 

コラム【虎視】1054号

コラム「虎視」

▼10月8日から11日にかけて初めてマレーシアを訪問した。マレーシアと言えば、鉄道好きはマレー半島を縦断してシンガポールまで続くマレー鉄道を、サッカー好きは日本が史上初めてワールドカップ切符を手に入れたジョホール・バルの歓喜が思いつくが、親日国で日系企業の進出数が東南アジアで最多ということはあまり知られていない。

▼ASEANに加盟する10ヵ国のうち、貿易のシンガポール、資源のブルネイの両小国を除くとマレーシアが一人当たりGDPではトップ。その額はタイの2倍、インドネシアの3倍となっている。この経済成長を促したのが1981年から22年間の長期政権を築いたマハティール元首相と言われている。歯に衣着せぬ物言いと独特の政治手腕で世界でも有数のリーダーと評価された。81年の首相就任直後に表明した「ルックイースト」は、日本に習えという政策。日本企業における集団主義や、個人の利益より企業の利益を優先する労働倫理を見習い、工業化や国有企業の民営化を進めるというものだった。これらの政策が奏功して経済発展を遂げたマレーシアは、東京オリンピックが開催される2020年に先進国入りを目指して「ワワサン2020」に国を挙げて取り組んでいる。

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