
アジア諸国で当たり前の風景、それは朝夕の大渋滞とバイクの多さ。マレーシアでもそんな当たり前の風景を目の当たりにしたが、しかし何かが違う。他のアジア諸国ではクラクションが鳴り響き、我が先にという運転が常態化しているが、マレーシアは静かなのだ。クラクションは全く鳴らさず、どんなに混んでいても道を譲ってくれる「譲り合いの精神」がある。
▼マレーシアの人口は約2,900万人で、マレー系が65%、中国系が25%、インド系が7%の比率となっている。1957年にイギリスから独立後、経済的に豊かな華人と先住民であるマレー人の対立が激化。65年に一部の華人がシンガポールを建国して独立したが、その後も対立が収まらず、69年にマレーシア史上最悪の民族衝突事件である「5月13日事件」が起こる。政治や様々な制度で優遇政策を取られているが経済的に貧しいマレー人、経済的に恵まれているが政治や制度で不遇を強いられている華人が互いに不満を爆発させ、首都クアラルンプールで暴動が勃発。100人以上の死者が出る大惨事となった。暴動は1日で収束したが、国民は今でも深い悲しみを残す。多民族が共存していくために必要な「譲り合いの精神」がそこに宿っている。
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