▼今年は天候不順が続いたが、解せないのは日経新聞で4半期毎に出される産業景気予測の天気図だ。「紙・パルプ」産業は、電力と並んでずっと雨。この根拠は何かというと、「各業種の生産、販売、操業率、収益などから担当記者が判断したもの」とある。担当記者は異動で変わっているが、業界内ではこの数年の間でも起伏があった。その辺りの変化を見極めた上での評価なのだろうか。
▼確かに洋紙分野は需要が縮小していく構造的な不況は否めないが、大胆な設備リストラに踏み切ったメーカーもある。一方で、成長分野である段原紙や家庭紙分野には積極的な投資も行い、機をみた製品値上げにも踏み切っている。このところは、収益改善効果も表れてきた。現に製紙メーカーによっては過去最高の株価をマークし、営業利益が1000億円という大台にもリーチがかかっている。
▼国内での再編の遅れを厳しく評価したのかも知れないが、海外事業の比率は年々高まっている。日経新聞が出す指標は、株価を大きく左右するだろうし、新卒学生が悪天候つづきの業界を就職先に避けることにもなり兼ねない。各社で濃淡もあるが、快晴とはいかなくても、薄日も差しつつある面が適正に評価されてもいいのでは。
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