2024年10月28日 オピニオン » 1596号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 全国的に古紙の無人回収所が増加しており、特にコロナ禍ではソーシャルディスタンスで古紙回収が出来るということで、集団回収よりも行政回収や無人回収が推奨された。

▼家庭系古紙を集団回収に一本化した横浜市・静岡市・東京都荒川区・中野区等は、コロナ禍にはかなり対応に苦慮していた。静岡市はともかくとして、首都圏の都内や横浜市は土地価格がかなり高く、古紙の無人回収所はほとんどない。稀にあっても郊外であり、そもそも自家用車の保有率が低い23区内では、古紙を持ち込む機動力がない。そう考えると古紙の無人回収所は、あくまでも郊外型の回収ツールだと言える。

▼現在日本で最も多くの古紙無人回収所を展開しているのは、今回取材した尾張紙業(愛知県清須市)である。愛知県と岐阜県にエリアを限定し、現在は450ヵ所に展開。ほぼ全箇所でアルミ缶を回収しているのが特徴で、近年はアルミ価格の高騰によって、かなりの利益が出ているという。しかし良いことばかりではない。今夏には、アルミ缶専門の外国人の持ち去りグループの標的にされ、同時刻に数ヵ所荒らされることもあった。同社はアルミ缶を入れた袋に手が届かないように、回収ボックスを改造したことで被害は減少した。

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