2022年10月3日 オピニオン » 1494号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 2030年までに世界の段原紙生産量は2000万トン増えると言われている。コロナ禍でEコマースの利用がより加速したことも、パッケージ需要増の要因となっている。以前から中国やアジア各国を筆頭に段原紙の増産計画が目白押しだったが、欧米でも同様である。急速な増産を進める一方、古紙回収量は中々増えない。今後は世界的に古紙原料不足が一層深刻化する見込みだ。

▼日本では80年代から古紙の輸入が本格化した。パルプ代替として強度を出すだめに、米国から輸入したDLKを製紙メーカーに販売する商社や古紙問屋が増えた。最も日本の古紙輸入量が多かったのは91年で85万トン。当時は米国から78万トンを輸入しており、比率は91%を占めた。カナダを含めると全体の97%が北米からの輸入だった。品種別では、段ボールとクラフト紙が56万トン(66%)、新聞が18万トン(21%)。

▼日本は02年から本格的な古紙輸出国となり、12年のピーク時は493万トンを輸出した。しかし近年は輸出余力が激減し、21年の輸出量は237万トン。ピーク時から半減している。商社筋では、あと3年で日本は古紙輸入国になると言う人もいる。日本は古紙輸入国から輸出国となり、再び輸入国になるのか。

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