ネットでニュースのタダ読みはもはや常識化している。だが、こうした慣習を破ったのが日経新聞だった。同社もそれまで無料サイトで50億円近い広告収入があった。それを廃止して、購読料を4000円に設定したデジタル有料版を2010年3月からスタート。これが奏功して日経は今や唯一、当時から売上を維持できた新聞社となった。
▼このあたりの経緯は、下山進著の「2050年のメディア」に詳しい。同書ではこうも指摘する。「紙かデジタルかという単純な問題ではない。いかに既存市場「紙」での売上の下げ幅を最小限にしながら、新しい収入のとば口をみつけそれを育てていくか」。これは「両腕の経営」とも呼ばれる問題だが、紙の市場で大成功を遂げた新聞社が転向するのは容易ではない。他の業界でも度々みられた光景で、まさに製紙業界も同じ問題に直面している。
▼製紙メーカーが新聞社へかつてない値上げ幅を提示した。これが何を意味するのか。コスト転嫁をのめないならば事業撤退すらあり得るのか、憶測も様々拡がる。新聞用紙で最大手の日本製紙は今期の営業利益が200億円もの赤字予想。株価も低迷するなど経営改革に迫られている。諸刃となりうるも、決死の値上げに討って出たわけだ。
2025年04月14日
コラム「虎視」
17年に発刊された「アマゾンが描く2022年の世界、田中道昭著」という本に出てくる近未来像がある。無人コンビニ[...]
2025年04月07日
コラム「虎視」
概ね売上10億円以上の古紙問屋を対象に業況調査アンケートを実施したが、回答率は3割強にとどまった。経営状況の公[...]
2025年03月31日
コラム「虎視」
2018年から開始した中国のナショナルソードにより、鉄スクラップも輸入禁止となった。しかしその前から中国は世界[...]
2025年03月31日
ちょっとブレイク
読者から「サッカーのコラムを毎週書いて欲しい」という声を頂いた。さすがに毎週は無理だが、改めてサッカーファンが[...]