▼今年も十カ所近い新設ヤードが予定されている。関東から東北にかけて目立つのは、ここ数年の板紙や家庭紙のマシン増設の動きと符号する。全国のヤード数は千九百カ所超に上るが、廃業閉鎖はこれまで数少ない。二年連続で回収量が減る中、将来的に問屋の過剰設備が深刻化する恐れがある。
▼ところで、余剰を埋める海外発のシェアリング・エコノミーのサービスが活況を呈している。代表的なのがAirbnb(宿泊サービス)やUber(格安配車サービス)。空き部屋や車両をWEB上のソーシャルメディアなどを通じて、貸し借りするというもの。サービスの提供者だけでなく利用者も相互に評価し合う仕組みが口コミ評価となって、両者の信頼関係を担保する。グレーゾーンのビジネスといわれたが、政府も規制緩和に動き出した。
▼危機感を募らす既存業界で、先手を打ったのがタクシー業界だ。最大手の日本交通が初乗り料金を四百十円に値下げする申請を行った。国土交通省が認可すれば来春にも実現する。訪日客の「ちょい乗り」利用を増やし、Uberに対抗する。シェアリング・エコノミーが大量消費・大量生産の従来型サービスと異なる市場を切り開き、既存業界の需給や価格設定を揺るがす影響力を持ち始めている。
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