▼紙は文化のバロメーターといわれた時代があったが、インターネットや携帯電話の普及はこうした価値観を変えてしまった。新しいバロメーターとしてトイレットペーパーを提唱したい。というのも2年前の5月にインドにでかけたが、デリー駅から出発したアーグラー行きの列車の沿線で目に飛び込んできたものは、延々と続くスラム街だった。難民ではなくインドの最下層の人たちが生活するスラム街とか。この光景が長く脳裏に焼き付き、安宿に泊まってトイレに紙があるとなぜか安心したものだった。
▼帰国してから彼我のトイレットペーパーの消費量を推定してみた。日本のトイレットペーパーの1人当たりの年間消費量は約8キロ(家庭紙全体では14キロ)。坪量、寸法(紙幅と長さ)などから計算した1ロールの重さは123グラム。8キロを123グラムで割ると65。日本は1人当たり年間65個のトイレットペーパーを使用しているのに対し、インドでは年間2~3個しか使用していない。同じ手法で中国の使用量を計算してみると26~27個。別項のように紙・板紙の生産・消費大国となった中国だが、1人当たりの消費量はまだ74.2キロ。日本、韓国、台湾は倍以上。中国に100キロ時代がやってくる?
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