▼猪瀬直樹は著作「道路の権力」で道路公団民営化に挑む戦いを記録し、政策決定の歪んだプロセスを焙り出した。政府の諮問機関について次のように指摘する。「各界の意見を反映する、とはタテマエで、結局、族議員ならぬ族委員も混じっているし、そうなると発言時間を制約されて言い放しで終わってしまう。こうして多くの審議会は官僚組織のお飾りになりやすい」。
▼容リ法の見直しを進める会合は、産業構造審議会の下部機関で26名の委員と座長で構成されている。容器包装にあたる八品目の素材は、それぞれ着眼点が異なり、関連する事業主体も幅広い。それを同時並行的に検証し、実りある結論を導くのは無理があろう。問題点をうやむやにして改正に至った前回のように、今回も尻すぼみの議論に終始することが危惧される。
▼容リ法の制定から20年近くを経て、容器包装を取り巻く社会情勢は大きく変化した。中国市場の台頭により再生資源の輸出ルートが拓け、価格は軒並み高騰。紙製容器に替わって雑がみ回収が浸透し、PETボトルは有償取引が定着した。輸出市場を冷静に分析した上で、有価で回る素材は可能な限り市場原理に委ねるべきだ。廃棄物行政は本来の市町村責任に立ち返ることが求められている。
2023年11月27日
コラム「虎視」
外国人技能実習制度は過渡期で、現在は法改正に向けて協議を重ねている。今後は、①現行制度を廃止し、人材確保・育成[...]
2023年11月20日
コラム「虎視」
今夏、日本政策投資銀行の方々が奈良の本紙事務所に来社した。古紙業界のM&Aの問い合せや案件が増えていることや、[...]
2023年11月20日
ちょっとブレイク
私が小学校6年生の時の修学旅行では、その前日に阪神タイガースが球団史上初の日本一に輝いたことで、お祭りムード一[...]
2023年11月13日
コラム「虎視」
大阪紙工所という会社が大阪市の玉造にあった。近くには紙加工の工場が数多くあったところである。昔から鶴橋・玉造・[...]