最近の若者の間で「オタク」は憧れの対象なのだという。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著)によると、彼らは趣味や娯楽について手っ取り早くモノにしたいという欲望があり、「推し」より一歩進んだオタクは、その道のプロフェッショナル、専門家と見なされるそうだ。かつてのキワモノ、逸脱者扱いから時代は大きく変わった。
▼実はこうしたオタクによる消費行動が、紙・板紙の需要に影響している面もある。トレーディングカード(通称、トレカ)は、年々人気拡大を続けており、3千億円近い市場まで成長。中古品取引も活況だという。火付け役のポケモンカードの流通枚数は250億枚以上とされる。プラ製のものもあるが、やはり人気は厚口の白板紙製である。この需要が見過ごせない量になってきているのだ。
▼また趣味嗜好性の高い、いわゆるマニア本や関連雑誌といった類も出版不況下にも関わらず、配本が減っていないとの指摘がある。大のマンガ愛好家は、読書用と保管用に分けて、同じマンガを2冊購入するとの話を聞いたこともある。こうした「オタク需要」は、紙・板紙の消費を下支えするが、困ったのが愛蔵用として保管され、なかなか古紙としてまとまった量が出てこない点であろう。
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