日本容器包装リサイクル協会の発表によると、今年度の市町村からの紙製容器包装の引き渡し予定量は1万4千トン。ピークの約3万トンから漸減傾向にあったが、22年度から名古屋市が分別方式を切り替えたことで、容リ協ルートでのリサイクル量はさらに減った。雑がみ回収のほうが浸透しており、紙製容器の制度はすでに形骸化しつつある。
▼ところで製造・販売メーカー(特定事業者)が負担する再商品化委託料の総額は、プラ製容器包装が420億円に対して、紙製容器包装は4億円弱。各社の負担額は、素材別の用いた量に係数や単価を掛けて計算する。プラは自治体が相次ぎ回収を始めているので、さらに委託料は上がる見通しだ。容器包装の「紙化」を推進するため、このルートを活かす手はないか。
▼つまりプラは、製造・小売メーカーには包材としての導入コストが安くとも、出口のリサイクル費用が高くなる傾向がある。一方、紙製容器は、導入コストは高いものの、容リ協ルートの回収量は限定的なので、出口のコストは低いままだ。雑がみ回収という独自ルートで資源化され、しかも水平リサイクルが実現されている。ライフサイクルでみたコスト比較をしっかり提示して、紙化の起爆剤に出来ないだろうか。
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