コラム「虎視」

コラム「虎視」

 1904年(明治37年)に奥田商店は製紙原料商として創業した。関西の古紙問屋では1876年創業の大和紙料、1903年創業の上野紙料に次ぐ歴史がある。戦後の46年からは紙加工業を開始し、77年に㈱奥田に改称した。

▼奥田は古紙問屋を本業としながら、紙加工事業を加速していく。東大阪・大阪・姫路・浜松工場を順次開設し、90年代後半からは海外へも進出。現在は機能性紙・フィルム製品の販売事業を主軸として、国内2工場と海外3拠点を構える。しかし90年代から続いた古紙の余剰問題や逆有償化により、02年10月に奥田は古紙事業を手放す。大阪の古紙の商圏は前述の関西古紙協に、姫路の商圏はe-PAXへと移管し、事実上、古紙問屋業から撤退した。

▼他に古紙問屋業から撤退したのは、㈱増田(京都市)や住之江紙料㈱(大阪市)、ユニクル㈱(大阪府茨木市)等がある。増田は廃業して大本紙料に、住之江紙料は廃業してJPにいずれもヤードを売却した。またユニクルは古紙事業から撤退して産廃処理業に軸足を移した。他ではエビス紙料㈱も古紙からRPF・廃プラ事業に移行している。こう見ると古紙問屋の撤退・廃業は関西で多かったが、いよいよ関東でもその波が押し寄せる。

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