日本の古紙回収量は23年も減少が濃厚なので、10年連続の減少となる。古紙回収量のピークは07年の2332万トンだったが、23年は1730万トン前後の予想で、ピーク時から600万トン減少したことになる。
▼07年のピーク以降は、スマートフォン等の爆発的な普及で電子化が進み、新聞・雑誌の部数が激減。加えて近年はコロナ禍で出版物の減少に拍車が掛かり、更に政府が書類等の電子化を進めていることもあり、古紙発生減に歯止めが利かない。唯一伸びていた段ボールも、インフレによる消費の落ち込みや、包装の簡易化によって、国内消費の減少が続く。
▼しかし日本だけで見ると古紙回収量は減少しているが、世界的には増加している。06年の世界全体の古紙回収量は約2億トンで、古紙回収率は51%。それが15年経った21年の古紙回収量は2億6000万トンとなり、古紙回収率は60%に上昇した。回収量で見ると年平均1.8%の成長率となる。2035年までに世界の段原紙生産は年2~3%の成長が続くと言われており、今後も世界的には古紙回収量が増加する。日本の古紙問屋・廃棄物業者が本格的に世界進出し、日本の技術やノウハウを駆使してグローバルリサイクル企業となるのか、注目したい。
2025年03月17日
コラム「虎視」
シリコンバレー発のGAFAなどの新興企業がもてはやされる陰で、米国の製造業は着実に衰退してきた。製造業付加価値[...]
2025年03月10日
コラム「虎視」
愛媛県四国中央市で紙づくりが始まったのは江戸時代半ばの1750年頃と言われている。豊富な水と原料に恵まれたこと[...]
2025年03月03日
コラム「虎視」
丸住製紙が今年3月末で新聞用紙の生産を終了する。花形だった新聞用紙事業は今は昔である。新聞の普及に大きな役割を[...]
2025年02月24日
コラム「虎視」
トランプ大統領の顧問を務めるイーロン・マスクは、南アフリカからカナダを経由して米国に移り住んだ移民の一人である[...]