今年5月、政府がSAF(持続可能な航空燃料)の10%義務付けを決めた。2030年までに国際線で使用する航空燃料の10%をSAFに置き換える。今年度中にもエネルギー供給構造高度化法の政令を改正し、石油元売りの販売において義務化するそうだ。CO2排出量のうち航空機由来が2~3%を占めるが、他エネルギーへの転換が難しく、燃料の代替が急務だった。
▼2030年にはSAFの国内需要として171万kLを見込む。原料には①廃食油、②可食原料(コーン・さとうきび等)、③非可食原料(微細藻類・古紙等)、④ごみ、⑤CO2・水素を想定。足元では、廃食油が主要原料と目されるが、回収量は38万リットルに過ぎない。しかも約3割が輸出されるなど、既存ルートとの競合や回収の掘り起こしが課題となる。
▼ジェット燃料を開発するユーグレナによると、今年4~6月におけるバイオ燃料の価格は220~300円/L前後。価格は上昇傾向にあり、軽油に比べても3倍前後高い。8年前のことだが、古紙からバイオエタノールの生産コストは189円/Lと聞いた。国際規格への適合や生産設備の設置が必須になるが、競争力が出てくる可能性もあり、古紙もSAF原料の一つとなるのか注目したい。
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