▼古紙再生促進センターの品種分類による模造・色上の昨年の消費量は223万トン。内訳は家庭紙105万トン、洋紙81万トン、板紙37万トン。洋紙は家庭紙に次ぐ消費量を誇ってきたが、洋紙の大幅な減産と輸入パルプ価格の急激な下落から今年に入って消費量が激減している。カット率が7割~9割のケースもあり、問屋の手持ち在庫が一気に膨らんできた。
▼こうした消費減による需給緩和を背景に、家庭紙メーカーによる古紙価格の下げに歯止めがからない。西を後追いする格好で、東の下げが続き、4月も下げると昨12月以来、5ヵ月連続となる。下げれば東の模造、ケントは問屋店頭15円、色上で11円になるだろう。06年から過去3年間に2円づつ合計7回、14円値上がりしていた(この間下げは1回もなし)が、わずか5ヵ月で一挙に吐き出すことに。
▼家庭紙向け古紙価格が過去に上昇したのは、内外に仕入れの競争相手が生れたため。国内では洋紙が産業系古紙を本格利用し、海外ではオフィス古紙の輸出価格が上昇して流出したからである。このふたつの大きな要因が霧消したことで、家庭紙向け古紙の需給が一変した。内需中心だった産業系古紙の輸出を今後、どこまで加速できるか。
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