
いつ頃からか、トラックやパッカー車の納車が早くて1年、時期が未定という声を聞くようになった。静脈産業のインフラを支える車両の納車遅れ。背景をひも解くと行き当たるのが半導体の不足である。「産業のコメ」とも呼ばれる半導体チップは自動車から家電、スマホまであらゆる身近な電子製品に使われる。その供給が滞れば、国家存亡の危機さえも指摘されている。
▼太田泰彦著「2030半導体の地政学」では、各国が生き抜く戦略が従来の領土を巡る争いから、サイバー空間での競争に移行し、そのカギを握るのが半導体だと分析・解説する。世界で流通するデータ流通量は30年に15倍まで増えるとの試算もある。あらゆる機器にセンサーを組み込み、半導体を通じてデータ活用することが産業やインフラ、軍事でも求められている。
▼製紙や古紙に携わる企業でも、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を掲げる企業が増えた。人口減に直面する中で、古紙などの再生資源の収集・選別、製紙の生産性向上や合理化にはビッグデータの活用が欠かせない。こうしたデータの世紀を制するのも半導体の安定供給あってこそ。不足すれば、DXも絵に描いた餅になりかねず、社会インフラを支えるための足かせともなり兼ねない。
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