
新聞の凋落が止まらない。紙版の新聞発行に拘るのは、製紙・古紙業界にとって歓迎なのだが、採算度外視の協力を強いられることとは話が別だ。クローズドの販売店回収を手掛ける業者からは燃料費や人件費、車両費のコスト増に耐えきれないとの声があがり、製紙メーカーの新聞用紙事業も青色吐息だ。こうした新聞用紙を取り巻く「事実」に、新聞社はどう向き合うのか。
▼2020年に静岡新聞が公表した「イノベーション・レポート」。多角的に現状を分析し、あえて耳が痛い情報も記している。「10代、20代は新聞に購読料が発生していること自体を受け入れられない」、「古紙が溜まること、処分方法のストレスが30代以下の若い世代を中心としてみられる」等だ。こうした状況を踏まえ、同社はデジタル共存の道を模索してきた。
▼公正取引委員会は昨年末、価格転嫁に応じなかった企業13社を公表。この2月上旬にも経済産業省が中小企業との価格交渉などに後ろ向きな企業を初めて実名で示した。労務費、原材料費等のコスト上昇分を取引価格に反映せず、取引価格を据え置くことは、独占禁止法上の優越的地位の濫用にあたる。社会の木鐸たる新聞社がこれに近い状況を生み出しているのは、皮肉としか言いようがない。
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