中国の古紙回収率が低いのには理由がある。中国は世界の工場として各商品を輸出しているが、このパッケージとして出て行く量が多く、必然的に古紙回収率は低くなってしまう。あくまで推計値だが、中国のパッケージとして出て行く量は3000万トンとも言われている。つまり紙・板紙の生産量は1億2千万トンだが、パッケージとして出て行く量を差し引くと、国内では9000万トンしか出回らない。中国の古紙回収率は51%だが、この出超量を考慮すると、回収率は72%ほどになる計算だ。
▼ベトナムの古紙ヤードの仕入価格はキロ17.5円、販売価格はキロ20円だった。街中のタテバに市民が古紙を持って行っても、10~12円ほどで買い取って貰えるのだという。ベトナムの一般的なワーカーの月給は2~3万円ほど。月給だけを日本と比べると10分の1ほどになる。つまり物価水準は日本の10分の1だが、古紙の買い取り価格は同等か日本より高い。これを当てはめると、ベトナム人の体感的には、古紙の価格はキロ100円ほどになる。このような状況だが、ベトナムの古紙回収率は未だに31%である。今後ベトナムの多くのメーカーは増産ラッシュを控えているが、国内の古紙回収量を増やしていくことが課題である。
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