再生資源の国内市況が軒並み上昇している。鉄スクラップの8月の価格はトンあたり4万6400円前後と2年前より83%高い。PETボトルもキロあたり115円と、20年比でなんと65倍だ。しかし、低調気味といえるのが段ボール古紙。平均調達価格が21~23円と2年前の10~15%高に留まる。かろうじて新聞古紙だけは高値を維持するが、発生量は年々減少している。
▼7月から輸出市況が低迷し始め、段ボール古紙の調達コストの抑制に動く国内メーカーも出てきた。需給は決してダブついているわけではない。むしろ問屋の在庫率は10%を切り、在庫水準も前年より3割ほど少ない。輸出比率も11%まで毎年下がっている。持続可能な価値を掲げながら、古紙だけは環境価値が見過ごされているかのようだ。
▼古紙の国際相場の下落とともに段原紙の輸出市況も軟化。中芯は400ドルを割ってきた。海外へ原紙を輸出するには、採算面から古紙の調達コストも抑制しなければならない、そんな悪循環に陥ってるかにも映る。原紙輸出は戦略的な側面もあろうが、古紙を叩く口実にもなっている。古紙の「原紙輸出枠」の調達がアリなら、「輸出用原紙を買わせて欲しい」という国内段ボールメーカーが現れても不思議ではない?!
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