▼9月上旬、日本で古紙回収システム研修会が開催され、中国の製紙会社や古紙回収会社など25名が来日していた頃、ナインドラゴンの張董事長が訪日し、古紙問屋を訪問していた。同社の天津の新工場が10月から本格稼働するが、板紙の生産能力はこれで年産855万トンとなった。1,000万トンまで板紙をもっぱら増産するのかと思っていたら、問屋さんに語ったところによると「板紙設備の増強は当面、休止。今後の能力増投資は時期は1、2年先になるが洋紙になる」。
▼シンガポールに本社を持つ製紙企業、APPグループは日本でも知られる。生産拠点をインドネシアから中国まで拡げ、中国では洋紙、板紙から家庭紙まで生産するグループ企業を持つ。総合製紙メーカーともいえよう。一方、ナインドラゴンは親会社が米国最大の古紙貿易会社、チュンナムだが、中国での紙の生産はこれまで段原紙や白板紙の板紙に特化していた。
▼板紙メーカーは古紙利用に長けているので、洋紙分野に進出すればDIP(脱墨古紙パルプ)設備を持った再生紙を手がけるのかどうか。ともあれ、同社の戦略転換は、板紙は内需が拡大しているとはいえ雑貨用包材輸出が激減。このまま増強に走ると過剰生産に陥ると判断したためか。
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