▼日本や米国の紙・板紙生産量は昨年、大きく後退したが、中国は660万トン増の8,640万トンに達した。1億トンが視野に入り、独り勝ちの様相を呈している。生産の内訳は紙と板紙がほぼ半々だが、品種別にみて日本の生産量と大差がないのは塗工紙のみ。日本は微塗工紙を含めた塗工紙の生産量が529万トンに対し、中国は590万トン。新聞用紙もそれほど開きはなく日本の345万トンに対し、中国は480万トン。この2品目を除いた他の品種は中国が圧倒するようになった。また紙・板紙の輸出入はかっては輸入が輸出を大きく上回る入超だったが、近年は若干の出超。生産に占める輸出比率は4%前後にとどまる。
▼こうした驚異的な生産増に連動して古紙輸入も年々増大してきた(昨年は前年比13.6%増の2,750万トンに)が、今年1ー4月の古紙輸入は866万トンで0.2%の微減になった。累計としては2000年代に入って初めてのマイナス成長だ。これまでも報じてきたように2015年問題が現実化してきたとみられる。つまり、15年には中国国内の古紙回収率が飛躍的に伸び、中国の古紙価格が世界指標になり、古紙輸入は頭打ちするという現象のことだ。
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