2010年6月7日 オピニオン » 888号

コラム「虎視」 888号

コラム「虎視」

▼マジェスティックホテルの六階屋上からサイゴン川を眺めていると、フェリーが渡し船のように次々と到着する。そして下船してくるのは車でなくバイクの行列。それほど大河でもないサイゴン川に橋を作らず、フェリーで行き来しているのがなんともベトナムらしい。噂に違わずホーチミン市内を走り抜けるバイクの数は驚くほど多く、車はバイクの間を縫って器用に走る。

▼街中至るところにバイクの修理工場や販売店があるが、バイクの行動範囲はせいぜい50キロ程度か。ハノイとホーチミン間に高速道路が完成し、インフラが整備されると、人の行動半径はもっと拡がるだろう。同時に所得が増えればバイクから車に乗り換えることに。そうした車社会がいずれやってくると思われる。

▼サイゴンが陥落した1975年、インドシナ半島に次々と社会主義国が誕生した。フランスやアメリカなどから人民を解放した筈の社会主義国がお互いに戦争を始め、沢山の難民やポートピープルが溢れる。侵略するのは資本主義国という認識が一般的な時代だっただけに、日本のマスメディアは混乱し、沈黙してしまった。そうした戦乱と動乱の70年代を経て、インドシナ半島は経済発展の道を歩み始める。国によるスピードの違いはあるけれど。

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