▼新日本製鉄と住友金属工業が来年10月をめどに合併の検討を始めた。公取委がどう判断するか。実現すれば製紙分野でも俄然注目されるのが王子製紙と日本製紙の動向だろう。旧王子製紙は1949年、GHQの占領下で苫小牧製紙、十條製紙、本州製紙の3社に解体された。苫小牧製紙が王子の前身で、王子と本州は1996年に合併。日本は大昭和と合併し、両社は現在、競い合う関係にある。
▼王子と日本の両社の売上高はともに1兆円を超える。仮に両社が合併すると、売上高で2兆円メーカーが誕生する。1ドル83円として計算すると両社の09年度の売上高は270億ドルになり、これは世界最大のインターナショナルペーパー社の234億ドルを上回り、世界最大の製紙会社が誕生することに。
▼王子製紙は06年7月に北越製紙との経営統合を株式の公開買い付けで実現しようとしたが、失敗に終わった。当時、北越、日本、大王が相次いで塗工紙マシンの新設を決定。洋紙の需要が低迷する中、この動きに危惧を抱いた王子が自社の老朽マシンをスクラップし、北越を経営統合し新潟工場に集約するのが狙いだった。しかし、経営統合が流れことで、王子は単独で富岡工場のスクラップ&ビルドに乗り出した。
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