2020年4月13日 オピニオン » 1373号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 緊急事態宣言の発令で、古紙は余るのか?不足するのか?今回は強制力のない措置で、業界で危惧されていた交通規制による混乱はひとまず回避。基本的に回収インフラは機能しそうだ。だが、対象地域の7都府県で古紙の回収量は全国の4~5割を占める。輸出の出荷港でみれば、8割が同地域に集中する。内外の需要とバランスするのか、特に海外の動向が不透明だ。

 ▼ベトナムは4月初めから15日間の外出禁止令を発出。製紙は不可欠な業種として多くの工場は操業が認められ、通常通り稼働している。ただ、現地の古紙回収や輸入古紙の調達も手間取り、原料は不足気味のもよう。中国向けはCCIC・Japanが緊急事態宣言の発令中、業務を縮小するとし、輸出が止まるとみられたが後に撤回。証明書の発行停止はあくまで最悪の場合で、遅延の可能性があるとの方針に緩めた。

 ▼古紙輸出は近年の環境規制の強化によって、「脱中国化」が進んでいた。とはいえ、昨年実績で段ボール古紙の44%、新聞古紙の81%、雑誌古紙・その他の58%が中国に依存し、その影響は大きい。特に新聞・雑誌の在庫が急激に膨れ上がる可能性があり、輸出市況が回復基調をみせていた中で、急落も避けられない情勢となっている。

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