2011年10月30日 オピニオン » 957号

コラム「虎視」 957号

コラム「虎視」

▼日本では裾物三品の中で新聞古紙の輸出価格が最も高く、発生量も減っているため、新聞は貴重な存在になりつつある。しかし海外、特に欧米では新聞古紙のニーズがかなり落ちている。今回訪れたオーストラリアでもそのような話を聞いた。理由は単純明快。新聞古紙を最も多く使う新聞用紙の生産が激減しているからだ。

▼オーストラリアの大手新聞社であるフェアファックス社を訪問した。3,000トンの新聞用紙を常時ストックし、全て全自動で印刷、裁断、梱包まで行われる。同社の代表的な新聞はザ・エイジやナショナルタイムズ等で、35万部を発行している。しかし、この2年間で部数が42%も下落しているという。米国では新聞用紙の消費量が過去10年で3分の1に減少しているが、オーストラリアでも同じことが起きている。

▼オーストラリアの未来学者であるロス・ドーソン氏が「世界各国の新聞の絶滅タイムライン」を予言している。氏によると、現在のような形の新聞は、オーストラリアでは2022年までに意味をなさなくなるという。世界的にみると、まず最初に消えるのが米国の新聞で2017年。19年に英国とアイスランド、20年にカナダとノルウェーと続き、日本は2031年となっている。

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