2020年3月2日 オピニオン » 1367号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 昨年の古紙回収量は1980万トンで、一昨年比で89万トン減。古紙回収量が2000万トンを割るのは2001年以来18年ぶり。また昨年の古紙回収率は79.5%で、同2.1ポイント減少した。こちらは7年ぶりに80%台を割り込んだ。古紙回収率が2ポイント以上減少するのは、1975年以来、実に44年ぶりとなる。

 ▼古紙回収の主流がちり紙交換だった時代は、価格が上がると回収量・回収率が上がり、価格が下がると回収量・回収率が下がった。第一次オイルショックの1973年から74年は、新聞古紙価格がキロ17円から50円に上昇。古紙回収率も39.7%から42.2%となり、2.5ポイント上昇した。しかし翌年の75年はキロ12円となり、回収率は3.4ポイント下落した。当時はちり紙交換が需給調整の役目を果たしていた。

 ▼2000年から01年に古紙回収率が3.8ポイント上昇したが、これは東京都等で古紙の行政回収が始まったことによる。90年代から価格の上下動や需要に関係なく、量が集まるようになった。社会的に見ると、ごみを減らしてリサイクルを促進するのは良いが、余剰が続く限り価格の上昇はない。当分の間、需給調整は続くだろう。

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