2019年10月7日 オピニオン » 1347号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 「行列ができる産廃業者」として知られる都内の業者がある。江東区若洲にある有明興業の若洲工場だ。平均待ち時間は3時間といわれ、9~18時までの荷受けの間に1日400台弱が列をなす。警備員が交通整理にあたったり、得意先が優先される「ファストパス」方式をとったりするなど、渋滞解消に工夫も凝らす。

 ▼同社の環境レポートによると、年間13万トンの産廃・一廃を受け入れており、そのうち廃プラが8割強を占める。東京都内で廃プラの中間処理量は最大規模。同社が受入れを止めると都内で廃プラが溢れる可能性があり、「最後の砦」とまで言われる所以だ。廃プラは二千馬力の大型破砕機で粉砕した後、フラフやRPFといったサーマルリサイクル(熱回収)向けの用途を開発し、主にセメントメーカーに出荷している。

 ▼高騰する産廃処理費でも都内ではプライスリーダー的存在。2018年7月に5円値上げし、現在はキロ45円。ただ同業他社による値上げスピードが早く、いまでは都内の相場は45~55円と上回る。同社も来年1月から10円引き上げに動く。廃プラ処理では、製紙工場の間でもペーパースラッジが行き場を失っており、同社のようなサーマル向けの用途開発の取り組みが参考になる。

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