2019年10月14日 オピニオン » 1348号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 品川駅からほど近くに物流博物館があるのをご存じだろうか。元々は1958年に創設した日本通運㈱の通運史料室が基礎となっている。現在の場所には1998年に、物流を社会にアピールすることを目的として、日本唯一の物流博物館がオープンした。

 ▼日本では江戸時代から水運業が発達したが、陸路の未発達は戦後の1950年台まで続いた。物流整備の遅れを問題視した当時の日本政府は、物流先進国である米国に視察団を派遣。そこでインフラの整備や荷役の機械化・合理化、ターミナル施設の整備が不可欠であることがようやく認識された。現在では、生産地と消費地を結ぶ物流は重要な役割として認識されているが、当時は物流という言葉も概念もなかった。またこの視察団が持ち帰った提言の中に「荷造・包装の改善を図ること。本格的な包装規格の制定や標準化を整備すること」とある。ここから包装革命が起こり、木箱から段ボールへの移行が加速した。

 ▼現在の物流業界の売上規模は約26兆円で、216万人が従事する。日本の労働人口は約6700万人なので、およそ31人に1人が物流業界で働いていることになる。もちろん古紙業界・製紙業界も物流によって支えられている。

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