▼司馬遼太郎著「菜の花の沖」では、江戸後期、淡路島の貧家に生まれた高田屋嘉兵衛が廻船商人として身を起し、ついに蝦夷・千島で活躍する偉大な商人に成長していく様を描いている。嘉兵衛の商人としての心得は、①品質を妥協しない、②ニーズに合う商品をタイムリーに提供する、③時代の流れを察知する、④売り手が卑下しない。いつの時代の商人像も同様だが、特に嘉兵衛が説いたのが、売り手が必要以上に卑下しないことだった。実際にその考えが奏功し、売り手と買い手が対等な関係を築いた。
▼古紙業界はどうだろうか。わずか10年前までは、製紙メーカーと古紙問屋は主従関係のような一方的な関係だった。納入義務がありながらメーカーがいらないと言えばカットされる、価格は下がる一方、在庫が膨れ問屋はメーカー詣での日々、自腹を切って赤字輸出ー等。当時、製紙原料の54%ほどが古紙(現在は65%)で、最も多い原料をタイムリーに供給しているにも関わらず、メーカーの都合で量と価格が決められていた時代。しかし2002年から中国への輸出が本格化し、需給が逼迫したことで売り手市場に。必然的に問屋の地位も向上した。嘉兵衛は言う。「卑下せず、尊大にならず。人間関係も商売もそれが基本である」と。
2023年12月04日
コラム「虎視」
都内の一廃収集業者K社は、清掃工場を管理する二十三区一部清掃事務組合からの再三の指導に従わず、今年9月に許可を[...]
2023年11月27日
コラム「虎視」
外国人技能実習制度は過渡期で、現在は法改正に向けて協議を重ねている。今後は、①現行制度を廃止し、人材確保・育成[...]
2023年11月20日
コラム「虎視」
今夏、日本政策投資銀行の方々が奈良の本紙事務所に来社した。古紙業界のM&Aの問い合せや案件が増えていることや、[...]
2023年11月20日
ちょっとブレイク
私が小学校6年生の時の修学旅行では、その前日に阪神タイガースが球団史上初の日本一に輝いたことで、お祭りムード一[...]