2018年4月30日 オピニオン » 1277号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 日本環境設計というベンチャー企業をご存知だろうか。2011年創業ながら、イオングループやセブン&アイホールディングス、良品計画、パタゴニア等々、並みいる大企業と提携をしている会社である。同社の会長の著書によると、「金ない、人脈ない、技術ない」という無い無い尽くしの会社が、前述の大企業を味方に付けて、古着回収や廃プラ回収を行っている。

 ▼これらの大企業と提携したのは、同社が唯一無二の技術を生み出したから。これまで古着のリサイクルと言えば、大半がリユースだった。古着としてリユースが6割、ウエスと反毛が2割、残りはリサイクルできないごみとして処分されていた。また古着全体のリサイクル率をみても、20%程度しかない。これはリユース用途に限定されていたからである。

 ▼しかし同社の技術では、古着からバイオエタノールを抽出し、そのバイオエタノールによってポリエチレンを生成し、再び服飾製品に生まれ変わることができる。またバイオエタノールを燃料として使用することもできる。これらは大阪大学との共同研究によって生み出した技術で、特許を取得している。今春には北九州工場を開設。フル稼働すれば年間2000トン超のバイオエタノールを生産できる。

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