2021年4月5日 オピニオン » 1421号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 プラスチック資源循環促進法案が3月に閣議決定され、今国会で成立する見通しだ。環境省の小泉大臣は「サーキュラーエコノミー新法」と称し、ライフサイクル全体でプラを循環できる仕組みとして期待を寄せる。法案は①環境配慮設計指針、②ワンウェイプラ使用の合理化、③製品プラの分別収集、④製造・販売事業者等による自主回収、⑤排出事業者の排出抑制・再資源化の5項目から成る。

 ▼詳細は今後詰めていき、実際の運用は23年度以降となりそうだが、製紙分野やリサイクル事業者にとって商機にもなり得る。一つは容リプラと製品プラの一括収集によって、収集量は2割前後増えるとみられ、中間処理や再生事業者の役割が求められる。設備投資の助成拡充とともに処理費の引き上げが見込めるならば、新規参入も増えるだろう。

 ▼もう一つは、紙製容器の代替需要につなげられるかである。中国ではプラ容器の使用を25年までに3割削減するとされ、紙需要の拡大につながるとの見方がある。昨年7月から日本でのレジ袋有料化は、紙袋の利用拡大には不発だった。理由は明確で紙袋まで有料配布され始めたからだ。プラは有料だが紙は無料とすれば、本来需要は伸びるはず。今後の仕組み次第で需要は喚起されるだろう。

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