古紙再生パルプの最近の主流は、水分率が10~15%のドライパルプ。ウェットパルプは水分率が40~50%ほどと高く、輸送効率が非常に悪い。また将来的に中国は、ウェットパルプの輸入を禁止または規制するかもしれない。その点ドライパルプは水分率が低く、輸入規制の対象にもならないだろう。
▼ドライパルプは良い点ばかりではない。OCCを原料としたドライパルプ生産設備は、広大な工場を必要とする。中国製のドライパルプ生産マシンの全長は約100メートル、ドイツ製の同様のマシンでも半分ほどの45~50メートル。工場建屋と機械設備の設置で10億円以上の投資となる。土地が狭くて地価も高く、人件費も高い日本では、投資コストに見合った利益を出せるのか疑問である。
▼段ボール古紙をかなり細かく細断して押し固める方式だが、細断時の摩擦や紙粉が原因で自然発火する事故が多いということも聞く。そして最も大きな誤算は、現在のOCC輸出価格の高騰であろう。キロ5~6円でOCCを仕入できればコスト的に合うと見られていたが、これが15~17円で仕入となると全く採算が合わなくなる。OCC輸出価格は高止まりすることも予想されており、古紙パルプ生産設備の計画は更に難しくなるだろう。
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