2019年9月30日 オピニオン » 1346号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 今年も古紙ジャーナル主催のセミナーを開催する。今年で九回目を迎える。今年のテーマは「中国から東南アジアへ、古紙需給の行方」。2018年から中国は環境規制の一環としてMIX古紙の輸入を禁止した。また昨年の古紙輸入量は1,700万トンとなり、一昨年の2,500万トンから実に800万トン以上減少した。中国は2020年末をもって古紙輸入をゼロにする方針を示していたが、7月の固形廃棄物規制法の改正で期限表記が消え、さまざまな憶測を呼んでいる。しかし今後、古紙輸入量が減少していくことは間違いない。

▼現在、東南アジア・東アジア、インド等の南アジアも含めると、1,500万トンから最大で2,000万トンの新規設備計画が発表されている。景気が停滞しているとはいえ、中国の段原紙需要は依然として底堅い。また成長著しい東南アジア諸国の需要増は、今後の世界的なトレンドである。いずれにせよ、成長産業である段原紙需要は、世界的にはまだまだ成長が続くだろう。それを見越した中国・日本・米国・現地の製紙メーカーが、今は先を争って新工場の建設を急いでいる。早く生産を開始した方が、シェア争いで優位に立つからである。ちなみに日本からインド向けの船はほとんどなく、インド以外のアジア諸国が今後の日本古紙輸出のターゲットになる。

※一部表現を訂正させて頂きました。

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