輸出価格の先行きを分析するためにも、米国の状況を探ってみた。米国内価格をみると、内外価格差がこれまでになく拡がる。西海岸のロスでもOCCが130ドル(問屋店頭)と低位で、円価にするとキロ10円を割ってくる水準。輸出価格との差は過去5年の平均で15ドル前後だったものが、32ドルまで開いた。輸出価格に敏感に反応してきた国内向けも今回の騰勢には様子が異なる。
▼一方、東海岸のニューヨークでの国内価格はさらに下げが厳しく80ドル前後。ニュージャージーではなんと58ドル以下。もともと米国は輸出競争力の差から、東西で内々格差がある。西高東低という価格体系で、通常この差は20―25ドル前後だったのが、今は倍以上まで拡がっている。米平均で見れば87ドルだ。
▼米国の関係筋によると、「米国の大きな内外価格差は、基本的に古紙の需要が強まったわけではないことを物語っている。この一時的な輸出価格の高騰は、単発的で不安定な要因によってもたらされていることが主な要因」との見方を示す。需給を反映しない上昇傾向だとすれば、やはり終焉の日も近い?!相場の不透明感は拭えないが、今後、中国で製品に価格転嫁できるかが、手がかりの一つになりそうだ。
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