▼本紙が「2015年問題」を報道したのが、2010年3月。この問題は、2015年を境にして中国の国内古紙回収量が大幅に伸び、古紙輸入量は大幅に減少していく。その節目が2015年ということを、本紙のシミュレーション結果と共に報道した。ホームページにも、バックナンバー877号に掲載しているので、参照していただきたい。
▼当時のシミュレーションを行った数値と現在の数値にはかなり乖離がある。2015年問題では、中国の紙・板紙生産量は1億4千万トン、古紙消費量は1億トン、国内回収が7割に増加と予測したが、現実には紙・板紙生産量は1億900万トン、古紙消費量は8千万トン、国内回収の割合は64%。想像より早く中国経済が停滞したことが原因だが、今回の環境政策でも、想像より早い中国政府の動きが目立つ。
▼今号のシミュレーションでは、遅くとも2032年に中国は古紙輸入がなくなり、古紙輸出国になり得ることが分かった。しかし中国政府のさじ加減次第では、2020年から古紙輸入が全面禁止になる可能性もある。3年後か15年後か。いずれにしても、古紙業界にとって中国市場が将来的になくなることに変わりはない。そして中国の代わりとなる国はあるのか。
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