▼中国の再生資源の輸入停滞で古紙以上に深刻なのが廃プラだ。古紙は日本で回収された量の約2割が輸出されるが、廃プラはその8割が輸出に回る。しかも中国向けが香港ルートを含めて9割と、依存度も高い。中国リスクから、輸出が止まる事態を想定していたという廃プラ商社も少なくない。
▼ごみに限りなく近い、ぎりぎり有価物のようなものを中国はそれなりの値段を付けて買ってきた。これが古紙問屋や廃プラ業者にとって、いわば「稼ぎ頭」だったわけだ。他のアジア諸国に比べても中国の受け入れ基準は極めて甘かった。日本国内では再生原料として到底、流通し得ないようなものである。中国が本格的に環境汚染対策に乗り出す中で、いずれ突き返されるのは時間の問題だった。
▼来年の輸入禁止に向け、中国政府の強硬姿勢が和らぐ気配はない。輸入量は激減するだろう。問題は、逆流してきたMIX古紙や廃プラがどこへ向かうか。東南アジアや日本国内でのマテリアル利用を増やすには品質改善が欠かせない。またサーマル利用がどこまで受け皿になり得るかも未知数だ。一部は産廃化やごみ化も避けられないだろう。今後数年で、再生資源・廃棄物の市場が一変する可能性がある。もはや「ナショナル騒動」と化しつつある。
2024年10月21日
コラム「虎視」
中国の上海を拠点として企業・消費者向けにネット販売やその支援、コンサル業務を行っているセールス・インチャイナ㈱[...]
2024年10月14日
コラム「虎視」
ピューリッツァ賞作家であるハルバースタムによる「ベスト&ブライテスト」という本がある。泥沼化したベトナム戦争に[...]
2024年10月07日
コラム「虎視」
物心付いた時から毎年、年賀状を出していたが、5年前に出すのを止めた。会社関連も2年前から止めて、勝手ながら紙面[...]
2024年09月30日
コラム「虎視」
福田三商はM&Aで大きくなった古紙問屋で、元々は福田紙原料と三商紙業(福田紙原料と鈴六商店の合弁)が合併して6[...]