2017年9月11日 オピニオン » 1245号

ちょっとブレイク

ちょっとブレイク」

 私が20歳になる目前の1993年10月28日。サッカー日本代表がドーハの地で初めてのワールドカップの出場を目指したが、ロスタイムにイラクに追いつかれて出場を逃した。いわゆる「ドーハの悲劇」である。当時のテレビ中継では、崩れるように倒れこむ中山やカズ、ラモスの姿が映し出された。自分自身も数日間、1言も話せないほどショックを受けたことを覚えている。全ての日本のサッカー関係者、全てのサッカーファンの数10年越しの悲願は、あと数秒というところで消えてしまった。

 そして2017年8月31日、埼玉スタジアムで行われた対オーストラリア戦に駆け付けた。これまでW杯予選で1度も勝ったことがないオーストラリアに2ー0で見事に勝利し、ホームで6大会連続となるW杯出場を決めた。

 当たり前のように日本がW杯に出場できるようになって嬉しい反面、以前のような夢の大会という意識や、痺れるような最終予選の感覚が薄れているのは寂しい。オーストラリア戦で得点を決めた浅野や井手口は、ドーハの悲劇の時にはまだ生まれていなかった。新しい歴史というのは、こうやって歴史を知らない人が作っていくのだろう。

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