熊本の古紙問屋、永野商店に生まれ育ち政治学者の道へ。東京大学で教鞭を執る姜尚中(カン・サンジュン)氏は、在日二世の人生とは何かを出発点に、民族名を名乗り、その境遇を学問へと昇華させた。自伝的小説の「母―オモニ―」では、永野商店を舞台に両親の奮闘や様々な人々の悲哀が描かれる。戦後の激動のなか、零細でありながらも苦難を乗り越え、循環社会の一翼を担っていくまでの古紙問屋の原点がそこにあった。 昨年...
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