▼海外に出向くと各国の古紙の実態が分かる。欧米やオーストラリアではシングルストリーム(混載収集)が一般的であり、日本の混ざり物がない家庭系古紙とは比べ物にならない。一昔前は「環境はドイツに学べ」と言われたが、近年のドイツのDSD(デュアルシステム)は停滞感が強くなっている。また、古紙回収率で世界一を誇る韓国だが、古紙ヤードでベール品を見る限り、品質はそれほど高くない。
▼日本の古紙は排出者のモラルが高い上に選別が徹底されており、他に追随を許さない。寧波中華紙業ではMIXのほとんどを日本品で賄っており、欧米のMIXは使い勝手が悪いという。リー&マンは欧米のMIXを多用しているが、結局選別の時間と手間がかかっている。ナインドラゴンは白板マシンが次々と稼動し、J-MIXの購入量を増やしている。来年以降も各社の新設が目白押しで、J-MIXのオファーが増えることは間違いない。
▼その一方、山東山鷹紙業ではJ-MIXの返品の山が置かれていた。金銀紙、耐水紙、感熱紙、昇華転写紙、不織布のようなものまで約100ベールが山積みになっていた。夏場は下落相場が続いていたが、そういう時にこそ問屋の質とモラルが問われる。
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]
2025年06月02日
コラム「虎視」
4月出荷分から予定されていた家庭紙製品の値上げは、再生品においては、インバウンド需要も追い風となり、事業系トイ[...]
2025年05月26日
コラム「虎視」
直納業者と代納業者の違いは、取引をする外部の人からは非常に分かりづらい。
▼製紙メーカーによ[...]