▼欧州の取材時、対応した製紙メーカーの担当者が強い関心を示したのが、本紙のプライス・インデックス。つまり四面に載せている古紙市況欄だ。次に会う別の担当者に「日本の価格指標を作っている人」と紹介される始末だった。相場を形成する市況欄がいかに重要か、また業界紙の生命線はこの価格指標に尽きるのでは、と感じる出来事だった。
▼本紙の創刊当時、この市況欄はなかった。数年後から不定期に掲載していたが、自治体から古紙売却時の指標にしたいとの問合せもあって、毎週掲載になった。国際市況は、製紙関連の情報プロバイダーであるRISIが牛耳っている。ただ、米国発の古紙市況はOBM(オフィシャル・ボード・マーケット)誌の影響力が絶大で、二〇一二年にRISI傘下になったものの、市況欄だけは独自の毎月発表の形を残している。
▼日本ではここ数年、取引慣行の特殊性が強まり、表向きの市況変動は有名無実化しつつある。国内価格は、プレミアム(上乗せ)価格が定着し、潜った実勢価格と建値は乖離。また輸出価格のドル価は為替の変動が取引価格を左右するため、円価で示さないと価格の推移を見失う。混迷の中、変化の徴候を掴み、市況の実態を的確に伝える役割がますます重要になっている。
2021年01月25日 コラム「虎視」 かつて静岡県袋井市にあった鉄スクラップと古紙を扱う問屋が面白い取組みをしていた。約230トンのCO2排出権を購[...]
2021年01月04日 ちょっとブレイク 昨年はコロナ禍の影響により、3月からほぼ世界中のサッカーリーグが中断となった。欧州の5大リーグでも同様の措置が[...]
2020年12月21日 コラム「虎視」 深刻なコンテナ不足が続いている。海上運賃は2〜4倍まで値上がりし、古紙の輸出価格はドル立てのオファー価格が上昇[...]
2020年12月14日 コラム「虎視」 東南アジアでは、繊維が長く歩留まりが良い米国古紙がファーストチョイスで、次いで品質は低いが価格の安い欧州古紙。[...]