▼欧州の取材時、対応した製紙メーカーの担当者が強い関心を示したのが、本紙のプライス・インデックス。つまり四面に載せている古紙市況欄だ。次に会う別の担当者に「日本の価格指標を作っている人」と紹介される始末だった。相場を形成する市況欄がいかに重要か、また業界紙の生命線はこの価格指標に尽きるのでは、と感じる出来事だった。
▼本紙の創刊当時、この市況欄はなかった。数年後から不定期に掲載していたが、自治体から古紙売却時の指標にしたいとの問合せもあって、毎週掲載になった。国際市況は、製紙関連の情報プロバイダーであるRISIが牛耳っている。ただ、米国発の古紙市況はOBM(オフィシャル・ボード・マーケット)誌の影響力が絶大で、二〇一二年にRISI傘下になったものの、市況欄だけは独自の毎月発表の形を残している。
▼日本ではここ数年、取引慣行の特殊性が強まり、表向きの市況変動は有名無実化しつつある。国内価格は、プレミアム(上乗せ)価格が定着し、潜った実勢価格と建値は乖離。また輸出価格のドル価は為替の変動が取引価格を左右するため、円価で示さないと価格の推移を見失う。混迷の中、変化の徴候を掴み、市況の実態を的確に伝える役割がますます重要になっている。
2024年11月25日
コラム「虎視」
古紙の源泉となる紙の需要にもトレンドがある。雑誌は販売部数が減り、広告も減り、そして売るための書店も減っていく[...]
2024年11月18日
コラム「虎視」
日資連は日本再生資源事業協同組合連合会の略称で、1973年のオイルショックの真っ只中に、主に専ら物の回収業者が[...]
2024年11月18日
ちょっとブレイク
サッカー日本代表の森保ジャパンが好調である。過去3年の日本代表の成績は29勝8敗5分(24年10月末時点)だが[...]
2024年11月11日
コラム「虎視」
小六会長とは全原連の新年会と総会で毎年顔を合わせていた。その会合が終わった後、いつも嘆いていた。「紙はゴミじゃ[...]