2004年3月1日 オピニオン » 580号

コラム「虎視」 580号

コラム「虎視」

▼一廃業者が事業所から収集したオフィス古紙を、パッカー車で古紙問屋のヤードに持ち込む。こうした光景は、東京都23区や名古屋市ではありふれた光景だが、その他の大都市ではみかけることは少ない。とくに西日本では、事業系ごみの搬入料金(清掃工場へ持ち込んで徴収される料金)が極端に安いため、事業所側に紙ごみを分別して排出するインセンティブ(動機)が働かないためだ。

▼このため、機密文書にしても、機密性の低いオフィス古紙にしても、大半が事業系ごみとして焼却されているのが実態だ。一方、23区や名古屋市で紙ごみから分別されたオフィス古紙は、模造、オフィスパック(日本では込頁とも呼ばれ、精選別したもの)、オフィスミックス(粗選別したもの)などとして、国内メーカー(古紙もの家庭紙メーカーが大量に使用)に販売されたり、輸出されたりしている。

▼今回、横浜、大阪、名古屋の3大都市の事業系紙ごみの発生量(処理量)を調べてみたが、合計で94万トンもある。内訳は横浜31万トン、大阪48万トン、名古屋15万トン。大阪の発生量が突出しているが、これだけ膨大な紙ごみが現実に焼却されているわけで、裏を返せば大阪は古紙の宝庫でもある。

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