
▼中国の古紙貿易はタイや台湾などと違って相手(製紙メーカー)の顔がみえにくい。間に外貿公司(貿易会社)が介在しているケースが多いからだ。中国の製紙の大手企業はまだ一握りで、大半は中小零細企業であるため、製紙に代わって貿易会社が金融と保管の機能を果たしている。段原紙や白板紙の分野で年産100万トンを超える大手企業が登場してきたが(例えばナインドラゴンやリー&マン)、これらのメーカーが日本からまだ本格的に古紙を購入していないことも、顔が見えにく理由のひとつだ。
▼貿易会社には3つのタイプがある。①完全なブローカー②輸入基地を持ち在庫販売ができる③輸入基地は持たないが営業倉庫を利用して古紙をストックしている。②と③は古紙の市況の影響を受け、リスクが大きい。①はリスクが少ないが、安定供給が難しい。
▼遙かな過去?になってしまったが、日本も古紙の輸入時代があった。ある時、欧州からの段ボール古紙(OCC)が大阪港に到着したので、コンテナの中身を見学に行ったことがある。日本の古紙が不足し、緊急輸入された頃の話だ。そういえば日本でも古紙輸入は商社が中心になって行っており、製紙メーカーが直接欧米から買い付けるということは少なかった。
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