2005年5月16日 オピニオン » 639号

コラム「虎視」 639号

コラム「虎視」

▼中国の3月の古紙輸入通関実績によると、単月としては過去最高の158万トンとなった。前月が99万トンだったので、実に59万トンもの増加である。中国の場合、月ごとの輸入数量が大きくぶれるため、一喜一憂しない方が賢明かもしれない。もっとも1ー3月累計でみると前年同期比25%増と昨年に続き驚異的な輸入増である。

▼数量にして76万トンの増加だが、仮に四半期ごとに76万トン増えれば年間では304万トン増。昨年の輸入量が1,229万トンだったので、これに304万トンを加算すると1,500万トンに達する。これだけ中国の古紙輸入が増えているのに、輸出価格がなぜ急騰しないで落ち着いているのかと不思議に思う読者も少ないだろう。

▼76万トン増の中身をみると、日本が28万トン、欧州が40万トンの各増に対し、米国はわずか1万トン増でほぼ横ばい。中国は03年までは米国古紙に大きく依存していたが、昨年から米国のシェアが後退し、代わって欧州、日本が伸びている。米国は2000年代に入り回収が伸び悩んでおり、米国依存が続いていたら輸出価格が急騰していただろう。日本と欧州に供給余力があり、両地域からの輸入が増えたことで価格が抑えられたとみたい。

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